蛮族の本懐

Ne quid nimisというモットーに抗うための試み。

デスマーチからはじまる郊外狂想曲 前奏に代えて ~千葉県松戸市 戸定が丘歴史公園~

はじめに

 先週の土曜日(2018年6月2日)、TVアニメ『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』スペシャルイベント「デスマーチからはじまる郊外狂想曲」に参加するため、ちばけんま……もとい千葉県松戸市に行ってきた。JR常磐線・松戸駅で降車するのは初めてだったが、駅舎を出ての第一印象は常磐線・柏駅周辺に似ているというもの(鶏が先か、卵が先か)。細長い空中回廊が雑居ビルを貫通して伸びていき、歩道橋と繋がるという見晴らしの悪さと圧迫感が、都市計画なる四字熟語の不在すら感じさせた。

 さて、今回のイベント会場は松戸市民会館。松戸駅から徒歩10分、住宅街の中に埋もれたこの無機質な建物を見つける途中で、戸定歴史館へ誘導する標識が目に入った。昼の部開演の14:30まで1時間ほど時間を潰す必要があった私は、前知識ゼロのまま、何気なしに戸定歴史館へと足を運ぶことを決めたのだった。

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訪問 旧同志社英学校 ~「反日」の志は燃えているか~

はじめに

 2018年1月20日(土)、所用のため同志社大学今出川キャンパスへ行ってきた。私は同志社大学について殆ど何の予備知識も持っていなかった。というより、これまでの人生において明確に意識する対象としてこなかった、と言うのが正確だろう。私は、訪問前に同志社大学の一般的な情報を蒐集することを企てた。イベント会場の立地に振り回されながら見聞を広めるのが、私はとにかく大好きである。今回は一緒に同志社大学について学びを深めていこう。

 同志社大学の前身は、新島襄が1875年11月29日に設立した同志社英学校だ。昨年の函館旅行記でも触れた通り、新島襄という男は、当時の国禁を犯してアメリカ合衆国へ密出国した人物であり、いわば筋金入りの「反日」勢力であったと言えよう。同志社の建学の精神はキリスト教主義に基づく「良心」と「自由」であるが、現政権の取り巻き(及び擁護勢力)が聞いたら烈火のごとく怒りそうなモットーではないか! 新島は日本が近代国家として成熟するためには、一人ひとりの個性/人格が尊重されることが肝要であると考えていたようだが*1「星野君の二塁打」が持て囃される現状を見るにつけても、新島が対峙した得体の知れない習俗は今も強烈に残存していると言わざるを得ない。その意味で、新島がおよそ140年前に描いた理想はなおアクチュアルなままなのである。

 では、世の「同志社人」が新島の理想を胸に「地の塩、世の光」として歩んでいるのかといえば、悲しい哉三人の著名な「同志社人」が一騎当千の悪評を立てているのが現状である。『時をかける少女』ならぬ「少女像にかける老人」(文学部卒)、「サヨク」の「言論弾圧」により講演中止に追い込まれた『自由からの逃走』ならぬ『逃げる力』の著者(ただし法学部中退)、「地政学」大好きなユダヤ陰謀論者の元外務省主任分析官(神学部卒)。この三人のせいで同志社が被る不名誉は甚大である。理想は叶わぬから理想なのだろうか?

 いや、与太話はこれくらいにして、京都市営地下鉄烏丸線・今出川駅直通のキャンパス入口から、同志社の旅へ出発しよう。果たして、どんな同志社の「いま」に出逢えるだろうか? 私は期待と共に自動ドアをくぐった*2

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*1: https://www.doshisha.ac.jp/information/history/neesima/neesima.htmlを参照。

*2:以下、同志社大学今出川キャンパスの構内図はこちらを参照されたい(PDF注意)。

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熱海 新春デート録 ~馬には乗ってみよ 人には添うてみよ~

はじめに

 マッチングアプリ・Pairsのコミュニティに、「会ってみないと正直何もわからない」というものがある。私はこの手の発言は出会い厨の常套句だと思っていたのだが、今年2月の3連休を経て考えが変わったのを実感している。至言とはまでは言わないが、的を射た発言なのではないか?

 2018年2月11日(日)~12日(月・祝)にかけて、Pairsでマッチングした女性と1泊2日の熱海温泉旅行に行ってきた。かつて新婚旅行のメッカ(正式な発音はマッカ?)として売り出された湯の町熱海。なかなか単独では来る機会のない場所なだけに、私の胸は期待と不安で揺れていた。今回の記事はタイトルの通り、「デート」の記録である。ただし、「デート」の供養記録である。

 この日は一時は雨の予報が出ていたが、蓋を開けてみれば抜けるような青空が広がるうららかな日であった。ホテルの居室からの眺望を貼っておこう。

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 静岡県の最東端に位置するリゾート島、初島もはっきり見える。初島を往来するフェリーが海に描く白線とマリンブルーとのコントラストが美しい。

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 さあ、私たちのデートを始めましょう(CV:竹達彩奈)。

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昼と夜の浅草 ~「おのぼりさん」から見た下町~

はじめに

 2017年12月16日(土)、突発的に浅草に行ってきた。目的は年頭の挨拶でも触れたミラーレスカメラ・FUJIFILM X-A3の撮影練習である。では、何故浅草を撮影スポットに選んだのか。それは私が一度も浅草に行ったことがなかったからである。2009年の春、大学進学のために上京してから(札幌出張の中断はあったが)9年が経過しようとしているのに、私は一度も浅草に赴いたことはなかった。浅草は日本初心者のインバウンド観光客であれば必ず「行きたい」と口を揃えて言うほどの有名スポットだ。撮影練習にはうってつけだと思った。私も東京初心者の「おのぼりさん」に戻って、新鮮な気持ちで浅草を楽しむことにした。

 この日は秋葉原で買い物をする用事があったので、買い物を済ませた後、JR総武線で浅草橋駅まで移動し、そこから歩くことにした。近くの交番の警官に浅草寺への道のりを尋ねると、「道なりにまっすぐ歩いていけば着くよ。30分くらい歩くんじゃないかな」と言われ、浅草橋駅から浅草寺までは意外に距離があることを知った。運賃をケチらず、つくばエクスプレスを使えば良かったのかしら。

 さて、時刻はちょうど16時。金のうんこ……ではなく「金の炎」(flamme d'or)と東京スカイツリーが見える交差点に到着。ここから出発しよう。

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礫岩のような千葉(1):頼朝伝説と行基伝説を訪ねて

はじめに

 2017年10月7日~9日にかけて、千葉県・房総半島を周遊してきた。札幌から東京に帰還して最初の連休、どこをツーリングするかは悩ましい問題だった。関東圏で行ったことのない場所、しかも公共交通機関では行きにくい場所を見繕った結果、最終的に奥多摩房総半島の二択が残った。そして、折角の3連休ということで、日帰りが大変な房総半島を行き先に選んだのだった。今回は姉崎のホテルに2泊し、房総半島ツーリングの拠点として利用することに決めた。

 10月7日は昼頃まで雨が降っており、出発が遅れることになった。また、連休初日で東京湾岸道路から千葉街道にかけて大渋滞が発生しており、姉崎に到着した頃には既に15時半を回っていた。そのため本格的なツーリングは翌日に譲ることにして、この日は木更津の龍宮城スパでのんびり過ごしてからホテルに戻った。さて、今回のエントリは10月8日の出来事を写真と共に振り返るものだ。この日のルートは、姉崎から養老渓谷を抜けて勝浦へ向かい、時計回りに外房と内房を巡って姉崎に帰還するというもの。順を追って、ルートの途中に点在する観光スポットや美味しいお店を紹介することにしたい。

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2018年 年頭の御挨拶

 皆様、明けましておめでとうございます。Rasielでございます。

 2017年は激動の一年でした。2017年2月13日、私が2年半に渡ってフロアとステージで共闘してきたNEXT少女事件の解散が発表されました。

 ステージで涙を見せたことのない舞姫が、NEXT少女事件3周年の当日に嗚咽を漏らしながら卒業発表をした時、フロアは静まり返りました。誰一人として茶化す人はいませんでしたし、「辞めないで」というありきたりのコールを上げる人もいませんでした。私はこの時点で、4月(新年度)から札幌へ長期出張に行くことが決まっていました。遅れてやってきた「青春」の終わりと、(時限的とはいえ)私の旅立ちが重なっていたことは、共犯者*1の一人が言ったように「ちょうどいい区切り」でした。

 3月20日、NEXT少女事件のLAST LIVEが思い出深い目黒鹿鳴館で開催されました。散々湿っぽい空気になった3周年公演とは打って変わって、フロアもステージも泣かない不思議な最終公演でした。舞姫が持ち曲を一周した後に、今度は時系列順に遡って元の自分に戻るという(地獄の)演出があり、「今来たばっかり」「最初からもう一回やって」という低レベルなガヤを完全粉砕してくれました。手前味噌ですが、当意即妙で面白さがインフレしていく、あんなフロアには今後なかなか出逢えないと思います。改めて、ありがとうございました。

 4月からは札幌へ長期出張となり、初めての街で慣れない仕事や現場の無さに心が折れそうになった時も一度ならずありましたが、普通自動二輪免許を取得するという目標が私の心の支えになってくれました。土日や平日業後を利用して自動車学校に通い、7月中旬に無事普通自動二輪免許を取得できました。一台目の愛車はヤマハ・TOURING SEROWに決めました(詳細は以下のエントリを参照)。

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 TOURING SEROWの購入は私の生活や行動範囲を一変させました。そう、このブログをオートバイ旅ブログに変貌させるほどに……。札幌を拠点として、岩見沢(JOIN ALIVE参戦)、支笏湖、積丹、胆振、小樽(エントリ未執筆)といった近場まで乗り付けた日々は忘れられません。夏の北海道というライダー憧れの環境をいわば「住みます芸人」として堪能できたのは贅沢な経験でした。

 旅行記については以下のエントリをご覧ください。

rasiel9713.hatenablog.com

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 札幌への長期出張がなければ、思い切って普通自動二輪免許を取得することはなかったでしょう。運命のいたずらに感謝しなくてはなりません。10月からは札幌から東京に引き上げて参りましたが、公共交通機関では行きにくい場所に足を伸ばせるようになったおかげで、関東圏をこれまで以上に楽しめています。関東圏ツーリングの記録は、今後少しずつアップしていく予定です。

 また、12月にはFUJIFILM X-A3というミラーレスカメラをカード10回払いで購入しました。目下使いこなせるように練習中です。このカメラを携えて、今年はますますツーリングが楽しくなりそうな予感がしています。HTC10 HTV32のカメラではうまく撮れなかった逆光や夜景とそれなりに勝負できるよう、腕とセンスを磨いていきます。ミラーレスを使えばうまく撮れるというのは甘い考えです。ミラーレスは撮影者の腕とセンスを引き出す補助具に過ぎません。重要なのはスペックではなく、腕とセンスなのです(スマホで精一杯頑張った人間の主張)。

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 今年も無事故・無違反で楽しいオートバイライフを送りたいと思います。そして、アマチュア歴史家として、声優/アイドルヲタクとして、面白い切り口で文章を皆様に届けられるよう、引き続き精進して参ります。ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。まずは、北海道積み残し分の小樽旅行記を書き上げられるように頑張ります!

*1:NEXT少女事件のヲタクをそう呼称します。ステージの主犯(舞姫)と一緒にフロアで事件を起こすから「共犯者」です。

胆振 珍道中(3/完):あの日の室蘭夜景は輝いていた ~思い出は未来のなかに~

前回のおさらい

rasiel9713.hatenablog.com

 本連載を最初から読みたい方はこちら

 今回は胆振旅行記の後篇(第3章)です。前回予告した通り、室蘭八景最後の一つ、室蘭港の夜景を中心に扱います。それではどうぞ。

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