蛮族の本懐

Ne quid nimisというモットーに抗うための試み。

胆振 珍道中(3/完):あの日の室蘭夜景は輝いていた ~思い出は未来のなかに~

前回のおさらい

rasiel9713.hatenablog.com

 本連載を最初から読みたい方はこちら

 今回は胆振旅行記の後篇(第3章)です。前回予告した通り、室蘭八景最後の一つ、室蘭港の夜景を中心に扱います。それではどうぞ。

続きを読む

胆振 珍道中(2):絵鞆半島ぐるり一周 ~室蘭八景めぐり~

  • 前回のおさらい
  • 室蘭八景(東海岸編)
    • 地球岬の絶景
    • トッカリショの奇勝
    • 金屏風の断崖絶壁
  • ちょっと寄り道 ~チャラツナイ展望台~
  • 室蘭駅舎 新旧対照
  • 室蘭八景(西海岸編)
    • 測量山の展望
    • マスイチ浜の外海展望
    • 絵鞆岬、黒百合咲く大黒島
  • Appendix
  • 関連記事
  • 関連書籍

前回のおさらい

 本連載を最初から読みたい方は以下のリンクからどうぞ。

rasiel9713.hatenablog.com

続きを読む

秋の山中湖で身も心も凍えた!の巻 ~失われしTwinBox FUJISANを求めて~

はじめに

 山中湖に行こう。そう思い立ったのは、以下の特集記事を読んだ時だった。

style.nikkei.com

 その昔(といっても2年前だが)、山中湖畔で2日間にわたってアイドルフェスが開催された。その名はTwinBox FUJISAN。名前から明らかなように、この野外フェスの主催はTwinBox AKIHABARA/TwinBox GARAGEであった。いずれも声現場に疲れたヲタクが辿り着きがちなキラキラ系ライブアイドルの主戦場として有名な箱だが、その割にはTwinBox FUJISANの出演者は様々な規模・音楽性のアイドルが集まっていて、公式の謳う「日本最大級のアイドルエンターテイメント野外フェス」は伊達じゃないと思わされる*1。私は諸事情でこの野外フェスに参戦することは叶わなかった。そのことが心のどこかにひっかかっていたのかもしれない。失われしTwinBox FUJISANを求めて、2年越しの山中湖行が今、始まる。

山中湖パノラマ台

 2017年11月3日、待ちに待った11月の3連休がやってきた。3週連続の悪天候で溜まりに溜まったフラストレーションを発散するには走るしかない。しかし、翌日の11月4日には永野愛理さんの学園祭イベントが控えている。日帰りで往復できる距離にいい場所はないものか。そうだ、山中湖があるじゃないか。そんな安直な考えで、よく調べもせずに下道をひた走ること4時間(+1時間ほどお昼休憩)、富士見スポットとして近年注目を集める山中湖パノラマ台に到着。出発したのが10時と遅く、3連休初日で甲州街道国道20号線)が渋滞していたこともあって、到着時には既に15時を過ぎていた。

f:id:rasiel9713:20171103152630j:plain

 今回は多摩市→八王子市→相模原市と通り抜けて、道志みち国道413号線)から山梨県に入るルートを使ったが、山梨県に入った途端に急に気温が下がったのには参った。日中で14℃という温度計表示が目に入り、冬装備を整えずに無謀なツーリングを敢行したことを少し後悔した。突き刺すような寒さで、空気感が全く違う。日が暮れるとその寒さはいっそう猛威を振るって、私の全身をガタガタ震えさせた。歯の根が合わず、首の筋肉が小刻みに震えてしまうため、焦点が定まらない+喉がカラカラの状態で夜の峠を走るのは二度とやりたくない。この時期の山中湖付近は深夜には0℃近くまで下がるらしく、あの夜の気温はいったい何℃だったのかと恐ろしくなる。私が下山後にワークマンの防寒着「イージス」を買おうと決意するまでに、さほど時間は要らなかった*2

 富士山頂に太陽が重なる現象をダイヤモンド富士と呼ぶらしい。以下の写真はただの逆光写真だが、うろこ雲の隙間から差し込む陽の光が富士山をシルエットの姿にする光景に、思わず溜息が出た(美しさ欠乏症)。秋のパノラマ台でダイヤモンド富士を拝めるのは例年10月18日~19日との事なので*3、来年以降に日没を狙って再訪すれば、いっそうフォトジェニックな光景を目の当たりにすることができるかもしれない。いずれにせよ、富士の裾野は紅葉の木々と薄で埋め尽くされており、目を楽しませてくれた。

f:id:rasiel9713:20171103152735j:plain

f:id:rasiel9713:20171103152927j:plain

 逆光のため色鮮やかにお伝えできないのが少し残念だが、パノラマ台が富士山・山中湖・紅葉の木々を一望できるスポットであることは確かだ。機会があれば是非足を運んで欲しい。この日も3連休初日の割にはあまり混んでいなかったので、地味に穴場なのかもしれない*4

f:id:rasiel9713:20171103152833j:plain

f:id:rasiel9713:20171103152838j:plain

f:id:rasiel9713:20171103152914j:plain

 パノラマ台の紅葉。観光客は皆一様に富士山の方向を眺めていたけれど、灯台下暗しということもあるのではなかろうか。

f:id:rasiel9713:20171103155520j:plain

 夕陽と富士山をバックに相棒セローを撮る。なんてセクシーな躯体なんだ。

f:id:rasiel9713:20171103155055j:plain

f:id:rasiel9713:20171103155711j:plain

 一台目なのに、相棒セローに乗れば乗るほど、こいつは「あがりのバイク」なのではないかと思えてくる。これからも相棒セローと一緒に素敵な思い出を沢山作っていきたいものだ。勿論、その思い出を共有する相手がいればなお素晴らしい。

f:id:rasiel9713:20171103155819j:plain

山中湖交流プラザ「きらら」

 さて、いよいよ本丸のTwinBox FUJISANの聖地(遺構?)である山中湖交流プラザ「きらら」へ向かうことにしよう。パノラマ台を下って左折し、山中湖沿いに相棒セローを走らせるとオープンスペースが見えてくる。それが「きらら」だ。

 まずは平野湖畔から逆さ富士を眺めてみた。この日も三脚を携えた撮影班が夕陽を今か今かと待ちわびていた。私が湖畔で一人写真を撮っていると、或る老夫婦から「いい写真撮れましたか? この後公園でライトアップがありますよ」と話しかけられた。特に返す言葉が見当たらず、「いやー、ぼちぼちですね。これから帰るところなので大丈夫です」と告げてその場を立ち去ってしまった。私にとっては写真よりもこの場所に来たという事の方が重要だったので、「インスタ映え」チェックのような発言に面食らったのだ。私も知らない人にいきなり声をかける時は細心の注意を払わねばならないと自覚した瞬間であった。

f:id:rasiel9713:20171103161301j:plain

f:id:rasiel9713:20171103161457j:plain

 シアターひびき。TwinBox STAGEと題された一番大きな区画が展開された場所だ。富士山をバックに最大8,000人を収容可能という無駄に広いグリーンフィールド。そこに一人佇んでいると、急に感極まって松尾芭蕉になってしまった。

  夏草や 兵どもが 夢の跡

 「自分が参加していないイベントは存在していない」というヲタク理論(?)がある。ただの強がりと言ってしまえばそれまでなのだが、自分が参加できなかったイベントの跡地を訪れてみて、あながち強がりと切り捨てられないと感じた。確かにTwinBox FUJISANはもう終わったイベントで、追体験することはできない。しかし、嘗てそのイベントが開催された場所にいま私は立っている。目を瞑ると、行ってもいないイベントの様子が妄想として襲い掛かってくる。参加していないイベントに時を越えて参加させられてしまい、高揚感と悔しさがこみ上げる。この一連のエモーションの発露を「現場推しと人は呼ぶのかもしれない。イベントを存在しないことにするためには、物理的にも距離を取る必要があるのだ。沈みゆく夕陽の中で私は「後の祭り」を知った。

f:id:rasiel9713:20171103161619j:plain

 ちなみに、TwinBox STAGEが8,000人の観客で埋め尽くされることはなかったようだ(そりゃそうだ)。当時リツイートした現場レポをいくつか掲載する。

 行けるイベントには行った方がいい。そんな当たり前の事を静寂の山中湖畔で再確認した。なお、山中湖畔に三島由紀夫文学館徳富蘇峰という施設があることを後日知った。やはり旅行の前には綿密な予習をすべきだったと後悔した。「後の祭り」は排気ガスと共に去りぬ。気ままな旅を楽しむには、まだ私は人生経験が足りないらしい。勝負はオートバイに跨る前に決まっているのだ。

f:id:rasiel9713:20171103162012j:plain

f:id:rasiel9713:20171103162236j:plain

結びに代えて

 今思えば、知り合いの声ヲタが山中湖に行っていたのは羨ましい限りである。

関連記事

www.entamenext.com

*1:それにしても、総勢150組以上の出演者の中で、どれだけのアイドル/ユニットが現役で活動しているのだろう。名誉共犯者(元NEXT少女事件のヲタク)としては、偶想Drop合法幼女症候群、CANDYIISTRIPE NEO、プティパ、月と太陽、熊田佳奈絵etc.といったメンツを観ていると、“あの頃のラウドル現場”に対する郷愁を抑えることができない。このような「伝わらない」表現を書き連ねていると、“あの頃のラウドル現場”なるものは一種の秘史の対象なのではないかと思えてくる。

*2:実は翌日の11月4日も東京電機大学鳩山キャンパスからの帰り道に土砂降りに遭い、2日連続で凍えるというイタい経験をしたことが「イージス」購入の動機となったのだが、話がややこしくなるので註で言及するにとどめる。

*3:http://www.ktr.mlit.go.jp/honkyoku/kikaku/fuji100/highlight/diamond.htmを参照。

*4:なお、山中湖交流プラザ「きらら」側は渋滞が起こっていたので、山中湖を訪れる観光客の絶対数が少なかったわけではないと思われる。

胆振 珍道中(1):苫小牧経由で東室蘭へ ~潮風と木漏れ日と田中将大~

  • はじめに
  • 出発の朝 ~二度目の支笏湖へ~
  • 苫小牧で腹ごなし ~マルトマ食堂名物 ホッキカレー~
  • ちょっと寄り道 ~樽前ガロー地区へ~
  • 爆走 国道36号線 ~イタンキ浜で一休み~
  • 関連記事

はじめに

 どうも。3週連続で雨模様だったため、今夏の北海道ツーリングの思い出をブログで振り返ることしかできないRasielです。

 さて、2017年8月19日~20日にかけて、鉄と石油の街・室蘭に行って参りました。前週とは打って変わって爽やかな青空が広がる行楽日和の土日。こんな時に出掛けずにいつ出掛けるんだ! そう意気込んでSEROWに跨りました。

 実はこの週、当初は富良野ツーリングを計画していたのですが、宿を取ることができず、目的地の変更を余儀なくされました*1。「フン、カップルやオシャレ女子の集まるインスタ映え*2スポットに一人で行っても仕方ない」と強がりつつ、第二の目的地として選んだ街が室蘭でした。

 室蘭を目的地に選んだ理由は観光地として渋そうという直観です。地元の観光情報サイトが充実していたのも決定打となりました。札幌中心市街から室蘭までは約130kmの道のり。だいたい東京~日光くらいの距離感です。今回のツーリングでは室蘭市街に到着するまでに色々寄り道をしましたので、胆振いぶり地方(下掲地図参照)のグルメや景勝地も紹介しながら道中を振り返っていきます。

http://www.iburi.pref.hokkaido.lg.jp/img/top/map.gif

*1:富良野を日帰りで往復する強行軍は、なんだか勿体無い気がして止めました。

*2:既に死語になりつつあるのは気のせいでしょうか。「イマドキ」であり続けるために情報を不断にアップデートして、行き着く先はどこだというのでしょう。時代錯誤(anachronistisch)ではなく、敢えて反時代的(unzeitgemäß)でありたいものです。なお、Oxford German Dictionary, 3rd editionを引くと、unzeitgemäßはanachronisticと訳されているので、私の言い分は単なる言葉遊びかもしれませんけれど。

続きを読む

積丹・祝津・小樽 荒天ツアー(3/完):いともたやすく行われるえげつない行為(ナンパ編)

  • 前回のおさらい
  • 突然ですが、ナンパの定義とは?
  • 予定を繰り上げ、おたる水族館
  • まずは一般展示水槽を巡る
  • イルカスタジアムから海獣公園へ
  • おわりに
  • 関連記事

前回のおさらい

rasiel9713.hatenablog.com

 本連載を最初から読みたい方はこちら

突然ですが、ナンパの定義とは?

 手許の電子辞書で「ナンパ」を調べてみたら、次のような説明がありました。

なん-ぱ【軟派】〘名〙(スル)

(4)街頭などで声をかけて、男性が女性を誘うこと。「―して遊びに行く」(小学館デジタル大辞泉』より)

街頭“など”という表現がくせものです。“など”にはどこまで含まれるのか? クラブやナイトプール、夏の海岸などは明らかに街頭ではありませんが、一般的にナンパスポットとして認識されています。そうすると、ナンパの本質は場所ではなく声がけにあると考えられそうです。しかし、最近ではネットナンパなる言葉まで登場する始末で、対面で声がけする必要すらなくなっています。「電磁的方法による」というやつですね。このように考えていくと、ナンパとは(1)男性が見知らぬ異性に(2)対面の声がけ又は電磁的方法により(3)アプローチする/モーションをかける行為であると言えそうです。では、宿泊先や旅行先で見知らぬ異性に声をかける行為はナンパに含まれるのか? この問いに答えるのが今回のエントリです。それでは荒天ツアーの最終回をどうぞ。

続きを読む

Welcome to Hokkaido (6/完):視察 最北の旧帝大

  • 前回のおさらい
  • 連載終了に当たっての御挨拶
  • 北大 札幌キャンパス周遊(1):中央ローン周辺
  • 札幌農学校第2農場
  • 北大 札幌キャンパス周遊(2):中央道路沿い
  • 北大 札幌キャンパス周遊(3):北大の自然
  • おわりに
  • 関連商品

前回のおさらい

rasiel9713.hatenablog.com

 本連載を最初から読みたい方はこちら

連載終了に当たっての御挨拶

 皆様ごきげんよう。9月3連休の台風18号も去り、札幌はすっかり秋めいてきました。さて、私が札幌に来てからもうすぐ半年が経過しますが、このたび半年の節目に長期出張の終了が決まりましたので御報告します。

 この半年間、仕事でもプライベートでも色々な変化がありましたが、最も大きな変化はオートバイの免許を取得し、TOURING SEROWを購入したこです。

rasiel9713.hatenablog.com

 SEROWのおかげで行動範囲が一気に広がった私は、ほぼ毎週のように札幌市外へツーリングに出掛けるようになりました。すると、札幌は私の北海道ツーリングの拠点に様変わりしたのです。私はこれまで5回に渡り、“Welcome to Hokkai-do”シリーズと称して、札幌初心者目線で札幌の観光スポットの紹介記事を書き連ねてきました。最初の頃は札幌自体が探索の対象であり、新鮮な好奇心の対象でした。しかし、少しずつ札幌での生活に慣れるとともに、札幌市外の多様な自然・歴史・文化・住まいなどに触れていくうちに、札幌への感動が徐々に失せていったのは否定できません。これは私が良くも悪くも観光客の殻を破り、居留者に変貌を遂げた証左だと思います。

 そこで、札幌滞在半年の節目を迎えるこのタイミングで“Welcome to Hokkai-do”シリーズの連載を終えることを決めました*1。どこかキリの良いタイミングで本連載を締めようとは思っていたので、丁度良い転機が訪れたと感じています。本連載の最終回で扱うのは、日本最北の旧帝大北海道大学(以下、北大)です。北大には既に6月下旬と7月末に足を運んでいたのですが、「北大の歴史を勉強してから記事を書こう」と先延ばしにしているうちに今日を迎えてしまいました。札幌を離れる前に北大という積み残しを消化して、“Welcome to Hokkai-do”シリーズを締めようと思います。それでは、最終回をどうぞ。

*1:勿論、札幌には私がまだ見ぬ面白い場所がたくさん残されていると思いますし、何より私は札幌の厳冬をまだ経験していません。ですが、ここから先は札幌への習熟度が高まるだけであり、新鮮な驚きやワクワクを書き綴ることは難しいでしょう。次に札幌を訪れた時の「旅行記」は別のタイトルで展開するのが望ましいと判断した次第です。

続きを読む

積丹・祝津・小樽 荒天ツアー(2):制覇 北海道三大夜景

前回のおさらい

 本連載を最初から読みたい方は以下のリンクからどうぞ。

rasiel9713.hatenablog.com

日本の渚百選 島武意海岸 ~奇岩めぐり~

 お食事処みさきでうに丼を堪能した後は、そのまま道道913号線を北上して島武意しまむい海岸へ。島武意海岸は日本の渚百選にも選定された海岸で、神威岬と並んで積丹ブルーを楽しめる2大スポットとして名を馳せています。 展望台へ続くトンネルを通っていくと、一体どんな絶景が広がっているのでしょうか!

f:id:rasiel9713:20170811130117j:plain

続きを読む