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蛮族の本懐

Ne quid nimisというモットーに抗うための試み。

Welcome to Hokkaido (1):探索 札幌駅近郊

はじめに

 先週から長期出張で札幌に来ています。空き時間や終業後に少しずつ撮り溜めた写真がありますので、整理がてらコメント付きで振り返ってみようと思います*1

新千歳空港

 北海道は私にとって未踏の地。北海道初上陸ということで、フライト前夜から当日の朝にかけては遠足前夜のごとくワクワクしていたのですが、フライト自体はあっという間で、機内で寝ていたら着いてしまいました。座席も窓際が取れなかったので、機内モニターを通じてしか雄大な自然を見ることができず、少し惜しいことをしました。こんな風に飛行機の中まで楽しみ尽くそうとするのって、変ですかね?

 ともあれ、約1時間半で羽田空港から新千歳空港に到着。“Welcome to Hokkaido”の看板が私を出迎えてくれました(今回のタイトルはここから取っています)。にわかにテンションが持ち直します。

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 空港ロビーからJR千歳線新千歳空港駅へ移動すると、急に冷気が。この感じは昨年12月に青春18きっぷで仙台に帰省する途中、JR東北本線福島県を通過する間に各駅でドアが開くたびに経験したあの底冷えに似ています。先週末は日中18~19℃を記録した札幌ですが、今週に入って再び冷え込みまして、最高気温6℃という日もありました。勿論、もう氷点下を記録する厳冬ではないので、仙台出身者としてはそれほど辛くはありません。東京から2ヶ月、仙台から1ヶ月、春の到来が遅れていると言えばよいでしょうか。

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JR札幌駅

 快速エアポートに揺られること36分、札幌駅に到着しました。概観が何となく博多駅を彷彿とさせるのは気のせいかしら。

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 札幌駅から通じる地下歩行空間は圧巻です。地元の方には特に物珍しくもないかもしれませんが、札幌駅~大通駅~すすきの駅を地上に出ることなく歩けるのは、シェルター生活を余儀なくされた近未来みたいな世界観で度肝を抜かれました。冬は氷雪に閉ざされる札幌において、この暖房の効いた広い地下空間は死活問題なのでしょう。「地下通路を通っていけば梅田CLUB QUATTROまで濡れずに行けるね」とは真剣さのレベルが違います。北海道大学方面の札幌駅北口の扉も自動ドアではなく重いガラス戸だったため、雪国仕様なのかと推測しました。地下空間直結のグルメも少しずつ開拓*2していけたらいいなと思います*3

 アピア、エスタ、パセオ、札幌ステラプレイスという4つのショッピングセンターも札幌駅の地下空間から直結のため、とても便利です。出張に来て早々にメガネがぶっ壊れた(下掲ツイート参照)のですが、アピアZoffがあって良かった……。流石に日本第5位の人口を誇る大都市だけあって、日用品の調達やトラブルシューティングには困りませんね。仙台の株がますます下がっていく……。

北海道庁旧本庁舎

 さて、先日は北海道庁旧本庁舎を見学して参りました。開館時間は8:45~18:00で、入館料はなんと無料! こんなことがあっていいのか!

 「赤れんが庁舎」の名前で親しまれる通り、アメリカ風ネオ・バロック様式の美しい建造物です。大阪市中央公会堂といい、岩手銀行旧本店本館といい、どうも私はこの色味と建築様式が好きなようです。

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 旧本庁舎には、開拓使の徽章である赤い五稜星があしらわれています。この建造物が開拓使によって建てられた証左です。サッポロビールの星マークもこの五稜星が元になっています*4

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 旧本庁舎をぐるりと時計回りに一周。

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 現在の北海道庁舎は旧本庁舎のすぐ西側にあります。仕事帰りの地方公務員がぞろぞろ札幌駅に向かって行進してきたので、写真を撮るタイミングが難しかったです。それほど旧本庁舎が札幌市民の生活の中に溶け込んでいるということでもあるのですが。

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 以下、旧本庁舎の内装を何枚か掲載します。正直、一度はこんな建物の中で仕事をしてみたいものですが、この建造物が外国人の力も借りながら「大日本帝国」のフロンティアを開拓する拠点として建てられたものであり、蝦夷地の先住民族を踏みつける象徴であり続けたことを思えば、単純にレトロ建築ロマンに浸るわけにもいかないので、複雑な気持ちです。美術史の専門家が研究対象とどのように距離を保っているのか、機会があれば尋ねてみたいと思いました。

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 歴代開拓長官・札幌県令・北海道長官の執務室です(現在は「記念室」という名称で保存・管理されています)。壁には歴代長官のリストと肖像が掛かっています。そして、リストを見れば一目瞭然ですが、明治初期から中期にかけての長官・県令の出身地は鹿児島(=薩摩)、高知(=土佐)、佐賀(=肥前)、京都に集中しており、明治新政府の藩閥ぶりが窺われます。アジア太平洋戦争後に至るまで北海道出身の知事が誕生することはなかったという事実が、北海道という地方公共団体の「従属的」地位を明らかにしていると言っても過言ではないでしょう*5

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 お、お前は……北方領土エリカちゃん北方領土エリカちゃんじゃないか!

 旧本庁舎二階の「北方領土館」のパネルにエリカちゃんが印刷されているということは、北海道庁北方領土問題対策協会の政治主張に同調していると看做されてもおかしくないわけですが、現首相が「私の世代で、この問題に終止符を打つ」と発言して、ロシアの法律の下での共同経済活動に合意した件(下掲ツイート参照)についてはどう考えているのでしょうか。正直、気になります。

 このように、ガイドブックの冒頭に掲載されているような有名な観光資源にも政治的メッセージが隠されているわけで、政治に無関心ではいられても無関係ではいられないということがよく分かります。こうしたメッセージを読み解き、解きほぐしていく一助になれれば……というささやかな願いもこのブログを運営するモチベーションだったりします。

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 ここまで色々と考えを巡らせてきて、さしたる結論もなく放り投げることに無責任さを感じてはいますが、最後はフォトジェニックな視角から締めます。

 花壇が整備され、花が咲き乱れる季節に、また訪れたいものです!

 (2017年4月30日追記:続編を書きました。こちらからどうぞ)

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Appendix

 すすきのは、昼も夜も最高です。最・高・です!

 今後もじっくりとすすきのの実力を見定めていきたいと思いますね。

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*1:なお、今回の写真は数日にわたって撮影したものを一度にまとめているので、空模様が異なったり時間帯が前後したりしています。記事は時系列順で書いていますが、その時々にリアルタイムで撮影したものではないことを予めご了承下さい。

*2:北海道だけに。

*3:飯テロについてはツイッターの方で随時行っていきますので、そちらをご覧ください。

*4:http://www.sapporobeer.jp/company/history/を参照。

*5:念の為に書いておきますが、私はウォーラーステインの熱狂的な「信者」だというわけではありません。