蛮族の本懐

Ne quid nimisというモットーに抗うための試み。

積丹・祝津・小樽 荒天ツアー(3/完):いともたやすく行われるえげつない行為(ナンパ編)

前回のおさらい

rasiel9713.hatenablog.com

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突然ですが、ナンパの定義とは?

 手許の電子辞書で「ナンパ」を調べてみたら、次のような説明がありました。

なん-ぱ【軟派】〘名〙(スル)

(4)街頭などで声をかけて、男性が女性を誘うこと。「―して遊びに行く」(小学館デジタル大辞泉』より)

街頭“など”という表現がくせものです。“など”にはどこまで含まれるのか? クラブやナイトプール、夏の海岸などは明らかに街頭ではありませんが、一般的にナンパスポットとして認識されています。そうすると、ナンパの本質は場所ではなく声がけにあると考えられそうです。しかし、最近ではネットナンパなる言葉まで登場する始末で、対面で声がけする必要すらなくなっています。「電磁的方法による」というやつですね。このように考えていくと、ナンパとは(1)男性が見知らぬ異性に(2)対面の声がけ又は電磁的方法により(3)アプローチする/モーションをかける行為であると言えそうです。では、宿泊先や旅行先で見知らぬ異性に声をかける行為はナンパに含まれるのか? この問いに答えるのが今回のエントリです。それでは荒天ツアーの最終回をどうぞ。

予定を繰り上げ、おたる水族館

 2017年8月12日、小樽。ゲストハウスで起床すると、8月なのに既に20℃を下回っており、ストーブをつけてもおかしくない寒さが待っていました*1。早朝から降りしきる雨は、この日のツーリングや市内観光(ひいては帰宅)が困難になったことを示しており、朝から私の気分は低調でありました。

 当日の予定も決まらぬまま、ゲストハウスの管理人の好意で簡単な朝食まで頂戴し、ラウンジで朝食を摂っていると、2階から宿泊客の女の子2人が降りてきました。2人が管理人と話しているのに耳を傾けていると、どうやら2人はインドネシアからの留学生であるようでした(日本語も流暢)。こういう場面で人の褌で相撲を取ろうとするのが私の悪い癖でして、インドネシア留学経験のある友人(id:hidesys)をだしにして2人(以下、Sさん/Aさん)に話しかけました。

Rasiel(以下R): おはようございます、2人はインドネシア出身ですか?

S: おはようございます。はい、そうです!

R: 実は私の友人でインドネシアに留学していたやつがいまして。

A: えっ、そうなんですか! 珍しいですね!

R: G大というところなのですけど、御存知ですか?

S: えっ! 私、G大出身ですよ! 凄い偶然!

偶然にもSさんの出身大学がid:hidesysと同じだったことで話が盛り上がり、朝食のテーブルでにわかに2人と仲良くなりました。2人は東京の某大の院生(専攻は国際関係論)で、夏季休暇を利用して日本国内を旅行しているとの事*2。2人はこの日おたる水族館を訪れて、夕方の飛行機で東京に戻るとの事だったので、予定が決まっていなかった私は「水族館、ご一緒してもいいですか?」と打診しました。幸運にもOKを貰うことができ、当初は連休3日目に行く予定だった水族館に早くも足を運ぶ事になりました。

 外が大雨のため、管理人の好意で小樽駅まで車で送ってもらい、小樽駅から水族館までバスで移動する事にしました。おたる水族館までは小樽駅から路線バスで25分ほど。車内で色々な話に花を咲かせているうちに、いつの間にかおたる水族館に着いていました。なお、おたる水族館日経土曜版の「何でもランキング」水族館編で第5位にランクインしており、全国的に注目度の高い水族館です。

style.nikkei.com

  さて、これからおたる水族館の写真を貼っていきますが、結論としては下掲ツイートに尽きているので、印象に残った場面にフォーカスしてコメントを書くことにします。ええ、お察しの通り、女子大生2人と過ごした時間に語彙力が敗北する瞬間をいま読者の皆さんは目の当たりにしています!

まずは一般展示水槽を巡る

 9時過ぎにキップ売場へ到着。この来場者に媚びない感じ、嫌いじゃない!

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 入場してすぐにウミガメがお出迎え。

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 「海のパノラマ回遊水槽」(Sharks and Rays)ゾーン。「この魚は日本語で何というの?」「エイだよ」といったやりとりをした記憶があります。

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 「北の魚たち」(Northern Fish)ゾーン。

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 ▼特性:とびだすなかみ。

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 ▼オオカミウオ。Sさんが「顔が面白い~!」と大笑いしていました。

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 Sさんが色々な水槽を眺めながら「美味しそう、お腹空いてきちゃった」と言っていて衝撃を受けました。ここは魚市場じゃないぞ! 水族館の魚に食欲を刺激される人を初めて見たのですが、皆さんの周りにそういう人はいますか? Sさん、私の誘いにホイホイ乗るだけあって変な娘ですよね(失礼)。

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 最近『けものフレンズ』効果も相俟って(?)にわかに人気急上昇中のコツメカワウソ。この日は2匹とも寝ていました。それにしても「カワイイ~!」は世界共通語というか、みんなそういうリアクション取るんですね。男性諸君はこの「カワイイ~!」を聴くために水族館に行っているのではないか!?(主語のでかい発言)

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 「南の魚たち」(Southern Fish)ゾーン。

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 ウツボを怖がるAさんが可愛らしかったですね。「俺だって好きでこんな顔してるんじゃないんだよ!」というウツボの心の声が聞こえてきそう。

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 ▼チンアナゴ。この場では当然話題にしませんでしたが、『下ネタという概念が存在しない退屈な世界を思い出してしまいました。

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 チンアナゴゴールデンクロス! シャッターチャンスだ!

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 ▼2階のクラゲ水槽。知り合いのクラゲヲタク(@ryota31bass)を思い出すなど。

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 ▼カブトガニ。ここでもSさんが「ヘルメットみたい!」とウケてました。

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 ▼オオサンショウウオ。ここに来てAさんが追い上げを見せてきました。

A: Rさん、これって日本では食べられる?

R: えっ、これは天然記念物だから食べたら怒られちゃうよ。

A: えー、そうなの。

S: A, この気持ち悪いの、ホントに食べたいの……。

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 「ボクを食べていいよ」案件だ!

 それにしても、Aさんの発言にSさんが引いてましたが、貴女も大概ですよ!?

http://tsurezure-shigesan.cocolog-nifty.com/photos/uncategorized/paniponi_sanshou.jpg

イルカスタジアムから海獣公園へ

 さて、10時半からオタリアバンドウイルカのショーを観るために、「イルカスタジアム」(Dolphin Stadium)にやってきました。1959年創業だけあって年季の入った雰囲気です。小学校時代を小樽で過ごした母に「イルカスタジアム」の写真を見せたところ、「昔と何も変わってない!」との事。

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 以下、オタリアバンドウイルカのショーを静止画でお楽しみ下さい。

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 ショーを観終えて、2015年1月に大洗のアクアワールドでイルカとアシカのショーを一人で観た時、こんなに楽しかったっけ……と思わざるを得ませんでした。コンテンツ自体の面白さは“誰と観るか”によって増幅されるのかもしれません(なんて寂しい発言なんだろう……)。オタリアやイルカを楽しんでいるのではなく、オタリアやイルカを楽しむ女子大生との時間を楽しんでいるのでは?」という批判は甘んじて受けます。前後不覚に陥らぬように気をつけます。

 なお、イルカスタジアムへの移動通路の脇には、ヒトデ、ウニ、ナマコなどに触れられる「さわってEzone(エーゾーン)」という一角があります。

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 強い雨が降り続く中、傘を差して屋外の海獣公園」(Marine Mammal Park)へ。天気が良ければ美しいブルーの日本海を拝めたのに……。次に誰かと来る機会があれば、その時は晴れてほしいものです(別の相手を探しているあたりが本当にどうしようもない)。

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 11時半頃に海獣公園へ到着。野ざらしのアザラシショーが開幕です(寒い)。2人の飼育員が担当アザラシに芸を競わせるのが熱かったです。

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 さて、おたる水族館のペンギンショーは一風変わっており、ペンギンが言うことをきかないことをウリにしています。公式サイトの説明文を見てみましょう。

動物がトレーナーの指示どおり行動することだけがショーではありません。
彼らは自由です。ショーの時間でもほとんどが自分の好きなことをしています。
食欲はありますがやる気はありません。
ショーを始めるとバラバラに散り、ショーが終わると集まってきます。
指示に従うことは滅多にありませんので、ときどき種目をこなすと、我々トレーナーも驚愕します。
まさに貴重な一瞬に出会った気がします。

http://otaru-aq.jp/events/penguin/

飼育員の方がオードリー若林みたいな喋り方で(伝われ)言うことをきかないペンギン達をあしらっていたのが面白かったです。観客によってはこの芸風が好きでない人もいるようで、前に立っていたカップルは「つまんなかったわ」と吐き捨てていました。私達3人はこのゆる~いショーに大満足だったのですけれども。

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 この後、トドの連続飛び込みショーを観てから3人でお昼にしました。この日のお昼は海獣公園内、浜の屋食堂ニシン焼きです。予想以上に大きくて満腹になりました。ニシン焼きに舌鼓を打ちながら、2人の学生生活や旅行の思い出について伺っているうち、2人が2017年9月末に大学院を修了して帰国することを知りました。一期一会を大切にしようと思い、「イベントか何かでインドネシアに行く機会があったら案内してよ」と約束を取り付け、連絡先を交換しました*3

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 海獣公園は見ての通り屋外施設です。柵を隔てて日本海と水槽が繋がっています。おたる水族館には、華美でないこの光景を今後も大切にしてほしいです(謎の上から目線)。バス停への帰り道、Aさんとこんな会話をしました。

A:日和山灯台を指して)向こうに見えるあれは何?

R: あれは灯台だよ。

A: トウダイ? それは何? どう書きますか?

R: Lighthouseのことね。漢字では「灯台」と書くよ。

A: Oh, I see!

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 帰りのバスに乗り込み、肩に重みを感じながら、13時半過ぎに小樽駅に戻りました。2人はこのまま電車で新千歳空港へ向かうとの事だったので、改札まで2人を見送って別れました。1934年に建てられたレトロな駅舎を眺めながら、私は出逢いの奇跡について考えていました。「スタンド使いスタンド使いにひかれ合う」。不思議な引力でひかれ合った人とはこまめに/定期的に連絡を取り合って、関係を更新し続けた方が良いのかもしれない。そんなことを思いながら、夏の冷たい雨の中、私はゲストハウスまで徒歩で戻ったのでした。その後、雨の中オートバイで札幌まで走って、体調を崩したのは初回記事の冒頭で書いたとおりです。禍福はあざなえる縄のごとし。楽しい思いをした分、身体が悲鳴を上げたということかもしれないですね。

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おわりに

 冒頭の問いに立ち返りましょう。宿泊先や旅行先で見知らぬ異性に声をかける行為はナンパに含まれるのか? 皆さんお察しの通り、ロマンチックなデートとは程遠い水族館ツアーではありましたが、早朝の時点では見ず知らずの状態だった異性と楽しい時間を共有できたわけですから、今回の声がけをナンパと呼ばずにどう呼ぶんだと思います。結論、あれはナンパでした。すみませんでした。なお、「ヤリモクじゃないナンパがありうるのか」という問題提起を友人から受けましたので、この点については今後も引き続き検討していきたいと思います。

 最後に一点だけ気になった事を書いておきます。おたる水族館が位置する「祝津」エリアはどう読むのが正しいのでしょう。道路案内標識のローマ字はShuku-tsu(=しゅくつ)となっているのですが、バスの運転手はどう聞いても「しゅくづ」と発音しているのですよね(私の母も「しゅくづ」だと主張しています)。函館=Hakodadi的な訛りなのだと現時点では理解していますが、どうなのでしょう。識者のコメントをお待ちしております。

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*1:8月の3連休、道東は最低気温12℃前後だったようで、北海道は冗談抜きで「試される大地」だなと思いました。仮に来年以降に道東を旅する場合も服装には気をつけます。

*2:日本語、英語、インドネシア語を流暢に使い分ける彼女達と話していて、日本の学生の多くは完全に学識と意欲で負けているなとしか思いませんでしたが、大学批判は普段からTwitterでやっているので今回は深掘りしません。

*3:なお、その後も一方の娘(敢えてぼかす)とはちょくちょく連絡を取っています。会話は日本語ですが、メッセージは英語でやり取りしているのが面白いですね。